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公益社団法人日本放射線腫瘍学会

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緩和的放射線治療普及のための好事例集 

事例24

将来の人的ハブを作る:初期研修医教育

背景

初期臨床研修医に話を聞いてみると、医学部の学部教育では緩和照射について十分な授業時間が確保されていない大学も多く、そもそもどのような状態に緩和照射の適応があるのかがわからないという声も多い。

着眼点

できるだけ多くの初期研修医が緩和照射について知る機会があれば、緩和照射適応のある症例が将来的には放射線治療科に多く紹介されてくるようになるのではないか?

放射線診断科と放射線治療科の研修枠をあわせて「放射線科」研修に変更した

ここがポイント

  • 診断科研修希望の研修医は多いため、結果的に治療科研修の人数も増えた
  • 緩和照射に絞った研修を導入
  • 数日間の短期研修でもOK
事例24

解説

担当医が「緩和照射」という選択肢を思いつかない限り、放射線治療科に紹介されることもなく、患者に放射線治療が提供されることもない。そのため、初期研修医に広く緩和照射について知ってもらい、将来的に放射線治療科の紹介につなげてもらう「人的ハブ」となってもらうような研修医教育を目指している。実際の研修では診察や治療計画のほかに、緩和照射の見学や講義を通じて、緩和照射の適応判断について習得してもらうことが大きな研修目標。また将来、がんに関連した症状で困る場合には、気軽に放射線治療科にコンサルテーションするように説明している(紹介のハードルを下げる)。

その他の事例

以前は週5日を午前と午後の半日単位とした計10コマを、診断7コマ、治療3コマの割合で担当していた。

それを1日単位に変更し、診断3日、治療2日の研修とした。

その結果、研修医は週2日間、常勤の放射線治療医と丸一日行動をともにすることで、初診から治療計画、治療中および治療後の診察、そしてカンファレンスまで、すべての業務に参加可能となった。照射適応判断、治療効果や有害事象の実際を、4週間繰り返し見てもらうことで放射線治療の理解が進み、その後、他科の研究会で緩和照射が奏功した症例を報告してくれる後期研修医も出てきてくれた。

事例24a

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