緩和的放射線治療普及のための好事例集
事例21
日本医師会生涯教育制度を活用した普及啓発
背景
近隣の診療所やクリニックからの緩和照射の依頼が少ない。
講演会や研修会などを開催してもあまり来ていただけない。
着眼点
特典をつければもっと講演会に足を運んでくれるようになるのでは?
日本医師会生涯教育制度を活用して、単位を取得できる講演会・研修会にする
ここがポイント
- 他科の医師が選択しにくいカリキュラムコード(地域医療など)を選択
- 放射線治療の紹介窓口・方法などを具体的に紹介(ハードルを下げる)
解説
日本医師会生涯教育制度の単位取得ができる地域医療従事者向けの講演会や研修会を開催し緩和照射の有効性について知ってもらう。その際に、実際に緩和的放射線治療を目的に紹介していただく場合の紹介窓口や方法など、具体的な方法についても提示し、緩和照射紹介のハードルが低いことを知っていただく。
日本医師会生涯教育制度では「カリキュラムコード」という学習した領域を表す区分があり、同一カリキュラムコードを重複して取得してもカリキュラムコード数は加算されないため、「地域医療」などの他科の医師が選択しにくいカリキュラムコードを設定することで、聴講者が増える可能性がある。
その他の事例
私立大学病院勤務。週に1日、在宅医療の外勤に出て緩和照射症例の拾い上げをしているが、一箇所からだけでは限界がある。そこで、特典(日本医師会生涯教育制度の単位)をつけた講演会を開催し、地元医師会も巻き込んで、開業医がセミナー参加することでメリットがあることを宣伝する。ちょうど大学病院内で年に2回、近隣開業医を対象とした研修プログラムを行っているため、積極的に手を挙げれば、比較的早く講演担当は回ってくる。そこで単回照射(1回照射)なら外来通院の負担も少なく治療ができることも説明している。
院内連携
骨転移診療チーム
緩和ケアチーム
画像診断部門
多職種・その他
- 事例09 電子カルテを利用した骨転移簡易コンサルト
- 事例10 病院初診予約情報からの拾い上げ
- 事例11 放射線治療担当技師を通した緩和ケア科連携
- 事例12 外来化学療法センター薬剤師・看護師との連携
- 事例13 治療室を超えた認定看護師の活用