緩和的放射線治療普及のための好事例集
事例15
在宅医療との連携:症例を通じた啓発活動
背景
訪問診療医が緩和照射の適応や必要性を認識していないと緩和照射へ紹介とならない。
着眼点
緩和照射経験がある症例が在宅医療に移行する際に、その症例を通して訪問診療医へ緩和照射を啓発し、その後もうまく連携して緩和照射を届けられないか?
患者・家族に今後も緩和照射が可能であることを説明し、紹介状でも情報提供する
ここがポイント
- 患者・家族にも緩和照射可能と説明
- 放射線治療科からも紹介状記載
- 積極的に単回照射の活用を
解説
訪問診療医から事前に放射線治療医へ直接電話相談があり、各種情報交換と日程の調整を行った結果、最短1〜3日の外来通院で、診察・治療計画CT撮影・単回照射まで完了。急性期障害についても、訪問診療医へ留意点を情報提供して診察を依頼し、放射線治療科からも電話診察することで、安心して在宅療養中でも緩和照射を行うことができた。
一度、緩和照射の有用性を実際に経験した訪問診療医からは、その後も、緩和照射が適応となりそうな新規の症例を紹介してもらえるようになり、結果的に症例を通じた緩和照射の啓発活動となっている。
その他の事例
地域の診療所で外来と訪問診療を週4日行いながら、週1日はがん診療連携拠点病院でも外来を行っているO医師。気軽に直接症例相談したり、入院依頼した患者の様子を病棟に見に行くことができるのがメリットとのこと。実際に放射線治療科外来で直接事前相談・調整し、8 Gy/1回の緩和照射を初診日当日に行うなど連携がうまくできている。
院内連携
骨転移診療チーム
緩和ケアチーム
画像診断部門
多職種・その他
- 事例09 電子カルテを利用した骨転移簡易コンサルト
- 事例10 病院初診予約情報からの拾い上げ
- 事例11 放射線治療担当技師を通した緩和ケア科連携
- 事例12 外来化学療法センター薬剤師・看護師との連携
- 事例13 治療室を超えた認定看護師の活用