緩和的放射線治療普及のための好事例集
事例04
緩和ケアチーム活動への参加
背景
緩和ケアチームと放射線治療医との間で情報交換ができる機会が少ない。
着眼点
緩和ケアチームへ依頼のあった相談症例のなかで、緩和的放射線治療の適応があることに気づかれていない症例もいるのでは?
放射線治療医が緩和ケアチームの活動に参加し、連携して緩和症例を拾い上げ
ここがポイント
- 「隣りにいる医師にちょっと聞く」状況を作る
- 緩和ケア医が気づいていない症例を拾い上げることができる
- 緩和ケアチームや担当スタッフへの知識の啓発になる
解説
緩和的放射線治療は教科書等での記載が少なく、専門外の医師は知識を習得する機会に乏しいため、緩和照射の適応があることに気づけない場合も多い。それは緩和医療を専門とする医師でも同様である。
そこで、定期的に(昼休みに週2回)緩和医療科のカンファレンスに放射線治療医が参加するようにした。コンサルテーションではなく「隣りにいる医師にちょっと聞く」状況を作り、敷居を低くすることで、対象を広げることができる。それによって、主治医や緩和ケア医がともに気づいていない症例の拾い上げが可能となる。
その他の事例
身体診療医、がん性疼痛看護認定看護師、薬剤師、栄養士、社会福祉士で構成される緩和ケアチームに、放射線治療医がメンバーとして参加。その結果、主科主治医が緩和照射を考えていなかった症例も放射線治療医の目を通すことで緩和照射の提案が可能になった。また、他科病棟を一緒にチームラウンドすることで、病棟スタッフとのコミュニケーションも円滑となり、結果的に病棟スタッフの緩和照射の認知度と理解も向上した。
院内連携
骨転移診療チーム
緩和ケアチーム
画像診断部門
多職種・その他
- 事例09 電子カルテを利用した骨転移簡易コンサルト
- 事例10 病院初診予約情報からの拾い上げ
- 事例11 放射線治療担当技師を通した緩和ケア科連携
- 事例12 外来化学療法センター薬剤師・看護師との連携
- 事例13 治療室を超えた認定看護師の活用