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公益社団法人日本放射線腫瘍学会

JASTRO Japanese Society for Radiation Oncology

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緩和的放射線治療普及のための好事例集 

事例06

外勤先でCTチェック、緩和症例を拾い上げ

背景

非常勤として放射線治療医が週2回勤務しているが、常勤医不在の影響か主治医からの緩和照射のコンサルテーションが少なく、照射症例数も少ない。
(緩和照射の認知度が低い? 適応があまり理解されていない?)

着眼点

放射線治療医が勤務時に画像を確認して、緩和照射の適応例を拾い上げできないか?

放射線治療医が勤務日に、病院で撮影されたがん患者のCT所見をチェック

ここがポイント

  • 患者数が比較的少ないため週2回の勤務でCTチェックが可能
  • 主治医の緩和照射についての認識も高まり、緩和照射の依頼が増加
事例06

解説

地方のがん診療連携拠点病院ではあるが放射線治療の常勤医が不在。大学病院からの非常勤医師が週2回診療している。院内では以前より特に緩和照射のコンサルテーションが少なく、原因としては緩和照射の認知度が低く、適応が知られていない可能性が考えられた。また1日の照射患者数が少なく、患者数を増やしたいという要望もあり、緩和照射が適応・必要とされる症例の拾い上げができないかと考えた。

そこで非常勤の放射線治療医が勤務日に院内で撮影されたがん患者のCT所見をチェックし、緩和照射の適応ありと考えられた症例について主治医に連絡し、意見交換するようにした。 患者数が比較的少ない病院だったため、週2回の勤務時間内でCT所見のチェックは可能であった。主治医が緩和照射の適応に気づいていなかった事例もあり、意見交換をするうちに緩和照射に対する認識も高まった影響か、この取り組みを開始してから照射患者数も増加している。

※この取り組みを始めたきっかけ:当院は病床数200床、近隣の市町を含め約7万人の医療圏の中核病院である。6年前に先代リニアックの寿命が尽きたが、買い替えの予算がつかず長い間、放射線治療は休止状態であった。もっとも近い放射線治療施設でも車で約2時間ほどかかるため、照射休止期間中は緩和照射を断念した症例もあった。1年前に放射線治療を再開できたものの、他科の常勤医が緩和的放射線治療の適応を忘れてしまったかのように緩和照射の依頼があまりにも来ない状況であったため、症例の拾い上げと主治医の認知度向上を試みた次第である。

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