緩和的放射線治療普及のための好事例集
事例19
他科医師の外勤先からの紹介
背景
放射線治療科の外勤先以外(つまり放射線治療装置のない病院)では、放射線治療医による緩和照射の啓発ができておらず、緩和照射の適応症例の拾い上げが難しい。
着眼点
大学病院の他科の医師に協力してもらうことで、他科の医師の外勤先の病院(放射線治療装置のない病院)と連携ができないか?
大学病院の他科の医師への啓発活動を通して外勤先から症例を拾い上げてもらう
ここがポイント
- 「外勤先で緩和照射の適応症例がいたら積極的に紹介を」と明言
- 紹介は直接、大学の放射線治療科へ
解説
地方の大学病院。放射線治療医は常勤医4名(専門医3名+後期研修医1名)。自分たち(放射線治療科の医師)の外勤先以外では緩和照射についての十分な啓発活動を行うことができず、緩和照射の適応となる症例の拾い上げは難しい。
そこで放射線治療医が、緩和照射の適応や効果について、大学病院内の緩和ケア研修会や合同カンファレンスの際に積極的に他診療科の医師に対して教育、講演を行い、各診療科の外勤先で緩和照射の適応症例がある場合に紹介していただくようにお願いをしている。
「外勤先で緩和照射の適応患者がいたら積極的に紹介してほしい」と明言。またその際に各科の医師の負担にならず、かつ効率的で迅速な治療を行えるように、臓器別診療科の受診を不要とし、直接大学の放射線治療科へ紹介、受診していただくこととした(必要があれば放射線治療科での入院対応)。
各科の医師の協力を得ることで、放射線治療科と関係があまりない地域医療機関からも、効率的に適応患者を紹介いただくことが可能となった。
院内連携
骨転移診療チーム
緩和ケアチーム
画像診断部門
多職種・その他
- 事例09 電子カルテを利用した骨転移簡易コンサルト
- 事例10 病院初診予約情報からの拾い上げ
- 事例11 放射線治療担当技師を通した緩和ケア科連携
- 事例12 外来化学療法センター薬剤師・看護師との連携
- 事例13 治療室を超えた認定看護師の活用