緩和的放射線治療普及のための好事例集
事例02
カンファ前後のショートコミュニケーション
背景
人手の少ない緩和ケア内科や腫瘍内科の医師は多忙であり、お互いに症例の相談をするタイミングが難しい。
着眼点
もっと、直接、顔を合わせて相談する機会を増やせないか?
骨転移カンファレンス前後の時間を使って、他の緩和症例の情報共有
ここがポイント
- カンファレンス前後の時間を有効活用
- 形式的に直接顔を合わせる機会を利用してショートコミュニケーション
解説
放射線治療医は各種カンファレンス(週4-5回)に交代で参加していたが、緩和ケアチーム活動には参加できていなかった。一方で、緩和ケア内科や腫瘍内科の医師はさらに少人数で多忙のため、多数のカンファレンスへ参加することは時間的に困難であった。そのため放射線治療科・緩和ケア内科・腫瘍内科で直接相談する時間を取ることが難しかった。
そこで、唯一、3科が合同参加する骨転移カンファレンスの前後の時間を活用し、緩和照射が必要とされる患者を拾い上げできないかと考えた。骨転移症例は骨転移カンファレンスで扱うが、前後の時間を使ったショートコミュニケーションでは、骨転移以外の緩和症例についても広く情報交換をしている。緩和ケア内科や腫瘍内科など、がん治療に関連する医療関係者は多忙だが、短い時間でも直接顔を合わせる機会を形式的に増やし、互いに相談しやすいコミュニケーション環境をつくることで、連携がスムーズになる。
その他の工夫
放射線治療初診時に、がん専門・認定看護師と共同でがん患者指導を行っている。その際に、初診患者に限らず、困っている症例の情報を看護師と放射線治療医で共有し、緩和照射の適応か相談する。
(別の業務で直接顔を合わせる機会を利用したショートコミュニケーション)
院内連携
骨転移診療チーム
緩和ケアチーム
画像診断部門
多職種・その他
- 事例09 電子カルテを利用した骨転移簡易コンサルト
- 事例10 病院初診予約情報からの拾い上げ
- 事例11 放射線治療担当技師を通した緩和ケア科連携
- 事例12 外来化学療法センター薬剤師・看護師との連携
- 事例13 治療室を超えた認定看護師の活用