緩和的放射線治療普及のための好事例集
事例22
直接訪問による地域医療機関への啓発活動
背景
地域がん診療連携拠点病院のため、多くのがん患者が地域医療機関から各診療科宛に紹介されてくる一方で、放射線治療科に緩和照射を直接依頼されることはほぼない。
着眼点
開業医等の地域の医療機関の先生方に、もっと緩和照射の有用性について理解してもらえば、直接の緩和照射依頼が増加するのでは?
ホームページでがん診療を行っていることを確認できた周辺施設を直接訪問
ここがポイント
- 放射線治療医が直接訪問し緩和照射の有用性をアピール
- 顔の見える関係の構築を
解説
ホームページでがん診療を行っていることが確認できた周辺施設の中から、半日でまとめて訪問できる2-3施設に、アポイントを取って直接訪問。施設によって放射線治療への関心度に温度差が見られたが、面会に応じてくれた医療機関が多かった。2回実施したところでひとつの施設から、主治医からではなく、面会で緩和照射の話をした病院長から直接電話で緩和照射の相談があり緩和照射を実施した。
コロナ禍で訪問が難しくなったことや、時間や労力の節約のため、今後は病院ニュース等を周辺施設に送る際に、緩和照射についての情報も同封して啓発活動を行うことも検討中である。
その他の事例
病院で年に1回、事務職が近隣の開業医に挨拶に回っている。そのときに、緩和的放射線治療についてのアナウンスもしていただく(同行できるときは放射線治療医も同行する)。
またA4サイズの緩和照射についてのポスター(下図)を作成し、病院やクリニックの診察室に貼ってもらい、必要なときにすぐに活用していただけるようにした。(事例16も参照)
院内連携
骨転移診療チーム
緩和ケアチーム
画像診断部門
多職種・その他
- 事例09 電子カルテを利用した骨転移簡易コンサルト
- 事例10 病院初診予約情報からの拾い上げ
- 事例11 放射線治療担当技師を通した緩和ケア科連携
- 事例12 外来化学療法センター薬剤師・看護師との連携
- 事例13 治療室を超えた認定看護師の活用