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公益社団法人日本放射線腫瘍学会

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緩和的放射線治療普及のための好事例集 

事例12

外来化学療法センター薬剤師・看護師との連携

背景

骨転移による骨関連事象(Skeletal Related Events: SRE)を防ぐために、画像診断医によるアラートといった工夫が行われている。

着眼点

画像診断からだけではなく、増悪する疼痛といった症状から、緩和照射が必要とされる症例の拾い上げができないか?

患者と距離の近い外来化学療法センターの薬剤師・看護師による症状アラート

ここがポイント

  • 増悪する疼痛の訴えなどを拾い上げる
  • しびれ、筋力低下、膀胱直腸障害等にも注意
  • 外来化学療法センターには該当する患者が少なくない
事例12

解説

骨転移による骨関連事象(Skeletal Related Events: SRE)を防ぐために、画像診断医によるSRE高リスク骨転移のアラートを骨転移診療チームで共有し、早期の治療開始、SRE予防につなげる取り組みが行われている。しかし、画像診断からだけでなく、疼痛や症状からの拾い上げといったアプローチも重要と考える。

転移再発の化学療法中に骨転移が増悪することもあり、外来化学療法センターで治療を受けている患者の中には、潜在的にSRE高リスク骨転移を持つ症例も多い。また、外来化学療法センターのスタッフは、増悪する苦痛が薬物療法の副作用なのかそれとも病勢増悪によるものなのか、判断に迷うことも少なくない。

そこで、増悪する苦痛の訴えがある場合などは、外来化学療法センターのスタッフ(がん薬物療法認定薬剤師やがん化学療法看護認定看護師など)が症状を拾い上げ、それを、放射線治療医やがん看護専門看護師、骨転移診療チームに適宜相談することとした。下肢のしびれ、筋力低下、膀胱直腸障害といった脊髄圧迫の症状にも注意し、適切な介入方法を検討したり、病状予測や照射のタイミングなどの情報共有をするとともに、薬剤師は必要に応じて主治医へ骨修飾薬の提案も行う。

このように、外来化学療法センターと密に連携を取ることで、間接的にSRE予防のために介入が必要な症例の拾い上げが可能。

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