緩和的放射線治療普及のための好事例集
事例20
放射線単科クリニックとしての取り組み
背景
放射線単科クリニック(放射線治療と画像診断)で、他院からの紹介のみで放射線治療を行っている。
着眼点
放射線治療のない病院や在宅医療を行っているクリニック等から紹介してもらうためには、相談を気軽にしてもらえるようにすることが重要なのでは?
講演会や勉強会等で緩和照射の有用性や紹介・相談方法をアピール
ここがポイント
- 電話で直接相談できることなど、敷居の低さをアピール
- 治療後も主治医と密に連携を取ることで認知度を上げる
解説
放射線単科クリニック(放射線治療と画像診断)のため、院内からの紹介ではなく他院からの紹介症例に対して放射線治療を提供している。そのため、紹介元となる近隣の医療機関に放射線治療、特に緩和的放射線治療について理解してもらわないと紹介症例が増えない。
そこで、放射線治療装置を保有していない近隣の病院や在宅医療を行っているクリニック等の先生方に対して、講演会や勉強会などを通して緩和的放射線治療の有用性について説明し、知っていただく。
またそれだけでなく、実際に相談しやすいように、電話で直接相談していただいて大丈夫なことについても説明する。さらに、限定的だが、当院からの送迎を行っていることも説明(入院中の患者のみ。自宅までの送迎は今のところ行ってはいない)。
放射線単科クリニックのため、受付も容易で、フットワーク軽くすぐに治療計画、放射線治療も開始できることもアピール。移動が難しい患者の場合、単回照射であれば、その日のうちに照射も可能であることも説明。複数回照射の場合は、入院中の患者で車椅子での移動が可能な場合は、送迎も行っている。また緩和的放射線治療後も紹介元の主治医と密に連絡をとることで、引き続き当院(放射線単科クリニック)と緩和的放射線治療の認知度を高い状態に維持することも重要。
いかに緩和的放射線治療の敷居(ハードル)を低くできるか、が紹介の鍵。
主治医との連携を密に取ることも重要。
院内連携
骨転移診療チーム
緩和ケアチーム
画像診断部門
多職種・その他
- 事例09 電子カルテを利用した骨転移簡易コンサルト
- 事例10 病院初診予約情報からの拾い上げ
- 事例11 放射線治療担当技師を通した緩和ケア科連携
- 事例12 外来化学療法センター薬剤師・看護師との連携
- 事例13 治療室を超えた認定看護師の活用