緩和的放射線治療普及のための好事例集
事例10
病院初診予約情報からの拾い上げ
背景
初診患者にはオンコロジカルエマージェンシー症例が含まれていることがあるが、予約の際に機械的に予約取得されると、受診が遅れてしまう場合がある。
着眼点
オンコロジカルエマージェンシーの可能性のある予約依頼についての詳細情報を事前に得ることで、受診の遅れを防くことができるのでは?
「骨転移」「強い痛み」「歩行困難」などのキーワードで拾い上げ
ここがポイント
- 紹介状にキーワードが含まれる場合、画像を先に取得
- 画像を確認して受診時期の調整
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解説
がんセンターの病院初診は多くの場合、地域の医療機関からの紹介によることが多い。その中に、オンコロジカルエマージェンシー症例が含まれていることがあるが、機械的に予約が取得されてしまうと、受診が遅れることがある。そこで、「骨転移」「強い痛み」「歩行困難」といったオンコロジカルエマージェンシーの可能性があるキーワードが含まれた予約依頼があった場合に、事前に詳細情報を得ることで、受診の遅れを防ぐことができるのではないか?と考えた。
現在は、他院から放射線治療科や整形外科への初診予約依頼があった際に、骨転移といったキーワードが含まれる場合は、紹介元から画像検査結果を先に取得して、その所見をもとに受診時期の調整を行うようにしている。
今後の展開
医療連携部門(地域医療連携室など)に初診予約の連絡が来た段階で、放射線治療科や整形外科以外の診療科の予約であっても、「骨転移」などのキーワードが含まれる場合、骨転移診療チームと情報共有をして早期に対応する仕組みを検討中。
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院内連携
骨転移診療チーム
緩和ケアチーム
画像診断部門
多職種・その他
- 事例09 電子カルテを利用した骨転移簡易コンサルト
- 事例10 病院初診予約情報からの拾い上げ
- 事例11 放射線治療担当技師を通した緩和ケア科連携
- 事例12 外来化学療法センター薬剤師・看護師との連携
- 事例13 治療室を超えた認定看護師の活用