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公益社団法人日本放射線腫瘍学会

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緩和的放射線治療普及のための好事例集 

事例23

医学部教育で緩和照射を周知する

背景

医学部の学部教育では根治治療や最新の放射線治療の内容に偏りがち。
緩和照射について学ぶ機会なく、研修医・各科の専門医へと進んでしまうことも。

着眼点

学生への講義・実習で緩和照射について扱えば、将来的に各科の専門へ進んだ際にも積極的に緩和照射を依頼してもらえるようにならないか?

講義と臨床実習で奏功例を繰り返し説明し、有用性・重要性を知ってもらう

ここがポイント

  • 繰り返し説明(講義と臨床実習)
  • 好事例を説明してイメージを定着
  • 放射線治療医を身近に感じさせる
事例23

解説

医学部の学部教育で、放射線治療に関する講義は増えてはいるが、根治的な治療や高精度治療、粒子線治療といった最新の内容が講義では扱われることが多い。そのため、緩和照射についてはほとんど学ぶ機会がないまま、初期臨床研修医、そして各科の専門医へと進んでいく現状があると思われる。

そこで、学生への講義や実習で緩和照射について取り上げることで、緩和照射や放射線治療医に対するイメージが向上し、将来的に各科の専門分野へ進んだ際にも、積極的に緩和照射を依頼してもらえるようにならないかと考えた。

医学部4年生に対する講義では1時間程度、疼痛緩和や止血目的といった緩和照射について説明をする。医学部5年生の臨床実習の際にも、前年の講義の復習と実際の緩和照射の好事例について説明し、緩和的放射線治療の重要性をイメージしてもらう。講義や実習の際に、緩和照射や放射線治療医に対して親しみやすさを持ってもらうことも重要。

このような医学部教育を通して、緩和照射についての理解を深めた学生が、初期臨床研修医や各科の専門医(主治医)へと成長した際に、緩和照射が適切に利用されるようになることを期待している(学生教育を通じて10年先の緩和照射症例を増加させる)。

継続的な学生教育により、将来の緩和照射につなげていく。

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