日本放射線腫瘍学会第31回学術大会

会長挨拶

日本放射線腫瘍学会第31回学術大会
大会長 西村 恭昌
近畿大学医学部 放射線医学教室 放射線腫瘍学部門 教授

大会長 西村恭昌

 このたび、日本放射線腫瘍学会第31回学術大会を2018年(平成30年)10月11日(木)から10月13日(土)の3日間、国立京都国際会館を会場として、開催させて頂くこととなりました。私にとっても近畿大学関係者にとっても大変に名誉なことであり、会員の皆様に心より感謝いたします。詳細な案内につきましてはホームページに随時記載していく予定ですのでご覧ください。

 本学術大会のメインテーマは、「時間と空間の最適化」と致しました。今回のテーマ「時間と空間」は放射線治療の基本です。放射線治療は空間的線量分布の改善により、その適応(空間)も拡大してきました。また全照射期間や照射時期などの時間的因子も治療成績に大きな影響を与えることが知られています。最近では画像誘導放射線治療が一般化し、照射期間中の腫瘍やリスク臓器の位置変化に合わせた適応放射線治療も可能になってきました。このような放射線治療における最新の成果を時間と空間の原点に戻って討議できればと考えています。本学術大会で行われるESTRO/JASTRO Joint Symposiumのテーマは、”Time Factor in Radiation Therapy”としました。放射線治療における時間因子に関係する考え方を理解するよい機会になると思います。また、特別企画として「放射線治療の裾野を拡げる」として、最近やや頭打ちの放射線治療の適応を拡げる方策について考えてみたいと思っています。

 わが国の茶道や武道の世界には、守破離(しゅはり)という言葉があります。指導者の教えを守るレベル、自分の考えや工夫を模索しこれを破るレベル、指導者から離れ独自の新しいものを生み出し確立するレベルと上達していくということのようです。第31回学術大会では、この守破離の思想をサブテーマとし、安全安心な放射線治療から最新の高精度放射線治療まで、基本から応用まで皆さんと一緒に考えたいと思います。

 秋の京都は観光シーズンでホテルが混んでいるとは思いますが、早めに予約していただき、学会の合間に深まりゆく秋の京都を堪能していただければ幸いです。