認定施設における認定規定案パブリックコメントの紹介について
2012年09月03日
JASTRO認定施設規程案に対するパブリックコメントを求めたところ以下にご紹介するように23人の会員の方から建設的なご意見をいただきました。本当に有難うございました。これらのご意見をもとに理事会で慎重に検討させていただきました。放射線治療専門医が日本医学放射線学会との共同認定となり、放射線治療専門医の研修施設は総合修練機関として新たに制定されました。そこで、放射線治療認定医の研修施設規程であった認定施設規定は廃止されました。こうした経緯を受けて、今回は研修施設としてではなく、一定の放射線治療のレベルをクリアしている施設を放射線腫瘍学会が新たに認定施設として認定して欲しいとの代議員会での決定を受けて、規程案を作成したものです。しかし、パブリックコメントにもあるように、どのレベルで認定するのか、また、専門医を第三者機関が認定する方向性が打ち出されるなど専門医の認定に関しても流動的で、日本医学放射線学会と合意を得た総合修練機関をはじめとする研修施設の条件についても変更が余儀なくされる可能性も出ています。そこで、今回パブリックコメントを求めた規程案が本当に現状に即したものなのかどうかを、もう一度慎重に検討させていただくことになりました。今回寄せられたご意見を公表し会員の皆様に認定施設の在り方について考えていただき、ご意見をお寄せいただければ幸いです。
放射線治療専門医制度委員会
委員長 三橋 紀夫
広報委員会
委員長 唐澤 克之
パブリックコメント
【1】第12条に関して
(3)および(4)では、「認定機構の定める」医学物理士または品質管理士を専従とするのに対し、診療放射線技師に関しては人数のみを規定していますが、不足と思われます。JASTROも設立団体の1つである、日本放射線治療専門放射線技師認定機構の認定技師を認定施設の条件に加え、3人以上の内1名は放射線治療専門放射線技師が勤務している、などの文章をご検討いただきたく思います。品質管理士の認定では、医学物理士を持たない技師の場合、専門技師認定は必須であり、諸条件をクリアする認定施設には、専門技師は必ずいると思われますし、医学物理士、品質管理士を含めた増員への推進となりますので、ご検討いただければ幸いです。
第13条に関して
(2)CTシミュレータは、現在ではrecommendされた言葉となっておりますが、20数年前は、京大や北大が島津製作所と共同開発した商品名であったと記憶してます。従いまして、「CTシミュレータ」→「治療計画用X線CT装置」はいかがでしょうか。
【2】国立小児病院時代を含めて国立成育医療研究センターとなっても、小児がん放射線治療を行って参りました。その間、JASTRO準認定施設Sとして、小児がんに特化した研修を行ってきました。更に、JRSにおいても放射線科専門医修練期間として全科目の研修施設認定をされておりました。しかし、今回のJRS放射線専門医修練機関認定制度において、放射線治療部門の認定が行われませんでした。放射線治療の質担保のためには致し方ないとは思いますが、現在「がん対策推進基本計画」の見直しが行われており、小児がんに対する拠点施設の整備および小児がんセンター構想が行われようとしております。従来の成人がんでの「がん診療連携拠点病院の整備」だけでは小児がん診療に不備があるとの認識に立っております。このような現状に於いて、小児がん放射線治療の研修施設をJASTROとしてどのようにお考えであるのか知りたいところです。
この認定施設認定規程案では、このことが触れられておりませんので、できれば小児がんなど希少疾患の放射線治療を積極的に行っている施設に、準認定施設Sなどの認定などでご配慮を頂けると幸いです。
【3】1.第2条 (2)3.「委員の任期は連続2期までとする」となっておりますが、4年では短いと思います。代議員選挙が3年ごとの任意団体とは違い2年での選挙ですので、3期までが妥当ではないでしょうか。
2.第10条(1)「200床以上の病床を有し3次元的放射線治療以上」となっておりますが、現在病床なしでも優れた放射線治療施設がございますが、これら施設はどのように扱うのでしょうか。認定施設を1つだけの基準にするのでしょうか。以前と同じように認定、准認定、協力の施設基準はないのでしょうか。日医放でも総合修練機関、修練機関、特殊修練機関からなっていると思います。整合性が必要です。「3次元的放射線治療以上」の文章は意味が不明です、JASTRO用語集に記載はありません。
3.第10条(4)「病理部門に専従の病理医が勤務し、病理診断情報を適宣入手できる。」となっておりますが、日医放総合修練機関認定基準では「病理部門に病理医が常勤し、病理診断情報を適宣入手できる環境にあること。」、修練機関認定基準では「病理部門があり、病理医の診断情報を適宣入手できる環境にあること。」となっております。
4.第12条
(3)および(4)をも必須とするのでしょうか。我が国の現状とかけ離れていると思います。
以上、ご検討ください。
【4】JASTRO認定医(旧)とJRSの治療専門医(旧)を、「覚え書き」という形で決着させたことが、そもそもの混乱の原因だと思います。無試験・自己申告で取得したJASTRO認定医と、2度の試験に合格した者に付与されるJRSの治療専門医(旧)とを同一の「資格」とみなし、両学会が認定するという奇異な専門医制度改革を行ったことが、そもそもの間違いだったと思います。全く異なったハードルを越えて取得した「資格」を、同一の「資格」とみなし認定すること自体、小生は今でも承服しかねております(会員である以上、決定したことには従いましたが・・・)。「放射線治療専門医制度の変更により、認定医の研修機関として認定を行っていた認定施設が廃止されました。しかし、多くの会員から、放射線治療の一定の質を担保している施設を新たに認定施設として認定して欲しいとの要望があります。」とのことですが、それでしたら、JRSの専門医修練機関の認定を取得すれば解決する問題であると思います。JASTRO認定医(旧)とJRS治療専門医(旧)を「統合」したわけですから、施設認定においても「統合」すべきです。
ただ、ハードルをどこに設定するかが、問題です。JASTROの設定したハードルは越えられても、JRSの設定したハードルを越えられないのであるならば、認定施設としては悖る部分があるのではと推察されます。不足分があるならば「放射線治療の一定の質を担保」すべく、善処すべきです。安易な妥協は、放射線治療そのものの質低下を招くだけでなく、名ばかりの「放射線治療専門医」を量産することになりかねないと危惧しております。ハードル無しのJASTRO認定医(旧)と2つのハードルを越えて取得したJRS治療専門医(旧)を放射線治療専門医として共同認定したようなやり方は、研修機関の認定においては繰り返さないことを願っております。「認定施設認定規程案」は、JRSの専門医修練機関の認定と同一の規定にするのが適当だと思います。JRSの専門医修練機関の認定と同一の規定にすることにより、JASTRO認定医(旧)とJRSの治療専門医(旧)を統合したことの整合性も図れると思います。
【5】「放射線治療専門医制度の変更により、認定医の研修機関として認定を行っていた認定施設が廃止されました。」のであるから、サイトからただちに「認定放射線治療施設」の表示・案内を削除するべきだ。
「しかし、多くの会員から、放射線治療の一定の質を担保している施設を新たに認定施設として認定して欲しいとの要望があります。」とあるが、正当な理由があって廃止したのであろうから、要望にこたえる必要は無い。「そこで、放射線治療施設の充実を図り、もって国民の福祉に貢献することを目的に、日本放射線腫瘍学会認定施設を新たに認定する」にいたっては、何を言っているのか分からない。
したがって、「規程案に関するご意見」どころではないのである。
【6】第10条
(1)三次元的放射線治療以上の放射線治療を行っている。
三次元的放射線治療を行っている割合も大切と思います。ほとんど二次元で、いくつかだけ三次元という施設ほぼ全部三次元かIMRTという施設は、どちらも同じようにOKになるのでしょうか。
(2)放射線治療部門が確立されている。
施設の水準の内容を担保するためには、「確立」の具体的な条件があった方が、いいかもしれません。ただ名前をつけかえただけということにならないために。
第12条 専従スタッフ
専従に100%、80%以上といろいろな解釈があります。兼務を認めるのでしょうか。兼務を認めたくないのであれば、兼務を認めないことを明記した方がいいかもしれません。
(2)と(3)、(2)と(4)の兼務が心配です。
(1) 放射線治療専門医を含む放射線治療医が2人以上勤務している。
他科の医師が専従で放射線治療にかかわっている場合、この放射線治療医に含んでしまっていいのでしょうか。脳外科の医師が専従でSRS、婦人科の医師が専従でRALSなど。
放射線科の放射線治療医、JASTROに登録した放射線治療医、などに限るのでしょうか。
放射線治療専門医 は、定義にあやふやなところはありませんが、放射線治療医 の定義をどう考えるかが微妙と思います。放射線治療を行っている医師なら、かまわないのでしょうか。もし限りたいのであれば明確にした方がいいと思います。
(2) 放射線治療に従事する診療放射線技師が3人以上勤務している。
3人常にいることが必要としたいのでしょうか。3人以上勤務をしていれば、3人が交代して同時にいるのは2人だけ、でもいいのでしょうか。
【7】施設認定基準 第12条(2)について
私は、日本放射線腫瘍学会認定の腫瘍顎認定技師でしたが、その認定制度は日本放射線治療専門放射線技師認定機構(以下、認定機構)に役割を引き継ぐと当時の担当者から電話連絡で確認させていただきました。現在、認定機構の認定者は1000名を超え、さらに放射線治療に対する知識や技能を習得した診療放射線技師を認定しています。認定機構では教科書となる書籍を出版し、各地で定期的に講習会や実習を伴う事業を活発に開催しています。つきましては施設認定基準 第12条(2)におきまして、
「放射線治療に従事する診療放射線技師が3人以上勤務している。」は、「日本放射線治療専門放射線技師認定機構の定める放射線治療専門放射線技師を含む診療放射線技師が3人以上勤務している。」に変更して、診療放射線技師なら少しでも放射線治療に携わる技師がいればいいということではなく、5年事業の診療経験と資格を有した専従スタッフを要する施設を医療安全において人的な力量要件としていただきたい。
【8】規程案の「認定施設基準」の第12条(2)に関して
第12条(2) 放射線治療に従事する診療放射線技師が3人以上勤務している。と案ではなっております。この要件について放射線治療専門放射線技師を加えていただきたいと希望致します。具体的には「放射線治療に従事する放射線治療専門放射線技師が1人以上勤務している。」の項を(2)の後ろに(3)として追加するか、下記のように(2)を変更していただきたいと思います。
第12条(2))放射線治療に従事する診療放射線技師が3人以上(内1名は放射線治療専門放射線技師)勤務している。
放射線治療の高度化と高制度化に伴い、放射線治療に従事する診療放射線技師のスキルが大変重要となっております。JASTROは過去にJASTRO認定技師制度を制定しておりました。その後、各団体で作られた放射線治療技師の認定制度を一本化するために「放射線治療専門放射線技師認定機構」の設立団体の1つとなり、JASTRO認定技師制度は発展的に廃止となりました。このような経緯もあり、また、認定施設内で技術的な側面がしっかりサポートできている体制を示すためにも、「放射線治療専門放射線技師」を認定基準に加えていただきたいと希望いたします。
【9】専従スタッフに関する条項 認定施設認定規程案 第12条の(2)の『放射線治療に従事する診療放射線技師が3人以上勤務している』に関して人数に関して異論はございません。 ただ、『日本放射線治療専門放射線技師認定機構が認定した放射線治療専門放射線技師が勤務している』必要性はないのでしょうか。
(日本放射線腫瘍学会が認定した認定放射線治療技師に関しては、ほぼ放射線治療専門放射線技師へ移行したという認識で書かせていただいております)
2010年9月23日付の「画像誘導放射線治療臨床導入のためのガイドライン」には、IGRT安全に行うにあたっての診療放射線技師の役割が示されており、推奨資格は日本放射線治療専門放射線技師認定機構が認定した放射線治療専門放射線技師または、日本放射線腫瘍学会が認定した認定放射線治療技師とされております。 また、精度管理等を専ら担当する者として医学物理士、放射線治療品質管理士に並び、診療放射線技師も挙げられており、推奨資格も前述のとおりとなっております。 少なくとも、日本放射線腫瘍学会、日本医学物理学会、日本放射線技術学会の3学会においては、日本放射線治療専門放射線技師認定機構が認定した放射線治療専門放射線技師または、日本放射線腫瘍学会が認定した認定放射線治療技師の必要性に関してコンセンサスが得られているのではないでしょうか。
また、認定施設認定規程案 第11条の(1) 外部照射の満たすべき放射線治療患者数と放射線治療内容の項で、新患数が年間300例未満の場合、満たすべき3項目以上の内容のうち(b)、(c)にて定位放射線治療、強度変調放射線治療が挙げられております。
医科点数表における定位放射線治療の施設基準等に関する通知第84の1の(2)および、強度変調放射線治療の施設基準等に関する通知第83の2の(3)には、『放射線治療を専ら担当する常勤の診療放射線技師(放射線治療の経験を5年以上有するものに限る。)がそれぞれ1名以上配置されていること。』と記載されております。
放射線治療の経験を5年以上有する診療放射線技師の要件には、放射線治療専門放射線技師が合致すると認識しております。
参考までに以下に、放射線治療専門放射線技師認定機構の定款に記載される受験資格を転記いたします。
1. 診療放射線技師の免許を有すること
2. 通算 5 年以上放射線治療に関する診療業務を行っていること
3. 一般社団法人日本放射線腫瘍学会、社団法人日本放射線技術学会、社団法人日本放射線技師会のいずれかに、5年以上継続して会員籍を有していること
4. 申請時より過去5年以内に、別に定める認定単位(平成23年8月改定)を20単位以上取得していること
5. その他、放射線治療に関する業績を有することが望ましい
以上より
認定施設認定規程案 第12条の(2)について
『日本放射線治療専門放射線技師認定機構が認定した放射線治療専門放射線技師が勤務している』必要性をご検討願いますようよろしくお願いいたします。
【10】ほとんどの項目に関しては異存はございませんが、第12条に関して意見を述べます。第12条 以下の専従スタッフが勤務していること。
(2)放射線治療に従事する診療放射線技師が3人以上勤務している。
単に人数だけの規定では認定施設としての条件としてふさわしくないと思います。
この項目を、(2)「放射線治療に従事する診療放射線技師は高エネルギー放射線治療装置一台当たり2人以上勤務している。」
このようにしないと治療装置の多い施設でも3人以上いれば十分となり、患者の安全を担保できません。さらに付け加えるなら、項目を追加して(項目2の次がふさわしいですが)
(6)日本放射線治療専門放射線技師認定機構が認定した放射線治療専門放射線技師が勤務している。
として、第12条を6項目の規定にしていただきたくご要望させていただきます。
【11】「第12条 以下の専従スタッフが勤務していること。
(2) 放射線治療に従事する診療放射線技師が3人以上勤務していること。」
上記(2)について「 (2) 日本放射線治療専門放射線技師認定機構の定める放射線治療専門放射線技師を含む診療放射線技師が3人以上勤務している。」
に変更を要望いたします。
理由
日本放射線治療専門放射線技師認定機構は、日本放射線腫瘍学会(JASTRO)、日本放射線技師会(JART)、日本放射線技術学会(JSRT)の3学会で平成17年3月に設立した機構です。設立当時JASTROは認定医、認定技師、認定施設の認定を行っており認定技師を認定していました。当時、放射線治療事故が立て続けに発生した経緯もあり、認定制度を有するJASTRO、JSRT、JARTを統合して認定、教育を統合する目的で機構を設立しました。
当機構では、設立後8年を経過し毎年認定試験を実施し現在約1,000の認定者を輩出しています。また、各地区でセミナー、講習会を実施し年間約1,000名の受講者がおります。(詳細は当機構ホームページhttp://www.radiation-therapy.jp/index.shtml を参照ください。)
当機構が認定する「放射線治療専門放射線技師」は、JASTROの認定技師でもあり、JASTROの認定施設には必須の要員であると考えます。以上から規程「 第12条 の専従スタッフ (2) 診療放射線技師 」の部分の変更を要望いたします。
当機構は放射線治療に携わる診療放射線技師の専門的資質や技量の充実を図るために継続的な教育システムによって研修、講習、実習を実施していくことが責務です。したがって、当認定機構は統一された基準により専門技師の認定を行うだけでなく、放射線治療に携わる放射線技師の資質の向上や医療安全に対する取り組みを、恒常的に継続して推進しています。
今後とも日本放射線治療専門放射線技師認定機構の事業運営にご協力を頂くとともに、本機構発展のためのお力添えを賜りますようお願い申し上げます。
【12】第12条(2) について
”日本放射線治療専門放射線技師の認定者が1名以上勤務している” という条件を付けるべきではないでしょうか。日々の照射は診療放射線技師の業務であり、その質は放射線治療そのものに大きく影響します。最後に治療のスイッチを押すのは技師であり、照射を中断する判断ができる最後の砦です。ここがしっかりしていれば、大きな事故、たとえば米国で発生した IMRTでMLCが入っていない照射などあり得ないのです。現在1077名 の放射線治療専門放射線技師が認定されています、認定施設基準として問題ないと思います。また日本放射線治療専門放射線技師認定機構は日本放射線腫瘍学会・日本放射線技師会・日本放射線技術学会の3団体の合意により2005年3月に設立されたものです。設立母体としてJASTROのかかわる認定施設基準に取り込んでいただくべきだと思います可能であれば認定技師と医学物理士・品質管理士は同一人物ではいけないという制限も必要ではないでしょうか。照射技術者と品質管理技術者は人員確保のためにも業務分けすべきだと思います。
・第13条 について
品質管理の項目としてはあまりに貧弱な気がします。治療計画精度管理はモニタ線量計の管理だけでよいのでしょうか。”自施設の品質管理プログラムがあり、それが確実に実践されている記録がある” などが必要ではないでしょうか。
【13】 第10条について
放射線治療の質を施設として継続的に向上していることを確認するために,認定施設基準として「放射線治療に関わるスタッフが参加する議事録が保存されて
いる放射線治療の品質の改善に関する委員会等が定期的に行われている。」を追加してはどうか?
・ 第12条(2)について
一般に安全体制の確保のため照射業務は,診療放射線技師が2名で担当することとなっているが,地方では,それが必ずしも守られていない施設があり,この状
況を改善するために,「放射線治療に従事する診療放射線技師が3人以上勤務している。」を「放射線治療の照射業務に従事する診療放射線技師が高エネルギー放射線治療装置あたり2人以上勤務している。」と「放射線治療の照射業務以外に従事する診療放射線技師が1人以上勤務している。」として頂きたい.
・第13章(6)について
「リファレンス線量計の校正は,医療用線量標準センターに依頼して, 年1度の頻度で行うことが望ましい.」(参考:標準測定法01 31page)となっているの
で,「リファレンス線量計校正を1回/2年以上」を「リファレンス線量計校正を1回/1年以上」に変更して頂きたい.
・第13章(7)について
案の通り,「第三者機関による放射線治療の出力線量の評価を1回/3年以上受けている。」として頂きたい.
・第13章について
3次元水ファントムは,施設の放射線治療の質を担保するために,必須であるため,放射線関連機器として「3次元水ファントムがある.」を追加して頂きたい.
上記の5つの項目については,放射線治療の一定の質を担保するために必須と考えいます.追加を希望します.
また,
・ 第12条について
「以下の専従スタッフが勤務していること.」とあるが,専従とは,「その就業時間の少なくとも8割以上,当該療法に従事していることをいう.」を指すた
め,以下のスタッフは,重複してはいけないという認識で良いか?,私は,その認識で良いと考えます.
【14】第1条:施設認定の目的
専門医師とコメディカルスタッフの教育研修(認定医やスタッフの認定)を目的に盛り込んでいただきたい。
医学物理士認定機構の教育コース認定の臨床研修実施施設は、JASTROの認定施設であることを要件にしている。
第10条:認定施設基準
粒子線治療施設や、高精度放射線治療のみの施設も今までのS認定のような形で認定されるようにしていただきたい。放射線治療の質と教育体制が重要なのであって、200床以上の病床、病理部門などはそれには直接かかわらない。放射線治療の内容を持って認定基準とするべきである。
第12条:専従スタッフ
医学物理士がいない場合にのみ放射線治療品質管理士を必須とするように要望する。
【15】原案はもともとの認定医の研修機関の規定に基づいていると思われますが、疾病構造の変化、及びそれに伴うあるいは新たな技術導入に伴う放射線治療の各手法の日常臨床における使用頻度の変化について十分には反映されておらず、教育における重要性についても重点度において乖離があると思われます。従って、新たに認定規定を作成するに当たって、放射線治療内容の規定について更新する必要があると思います。具体的には第11条の項目(1) の中の(b) 定位放射線治療、(c) 強度変調放射線治療は高精度放射線治療として多くの施設に普及してきており、かつ社会的ニーズについても今後ますます増加が予想される放射線治療手法です。小線源治療に負けず劣らず認定施設にとって必須の放射線治療手法と考えられますので、(b) 定位放射線治療、(c) 強度変調放射線治療については、(2) の項目に移し、認定に必須な要件とするべきと考えます。また強度変調放射線治療については、保険収載における施設基準に鑑み年間10例以上に変更が必要と思われます。
以上、提案を申し上げます。
<変更案>
第11条 以下の放射線治療患者数と放射線治療内容を満たしている。
(1)略
(2)新規症例の密封小線源治療が年間10 例以上行なわれている。
定位放射線照射を年間5例以上行なっている。(1)より移動
強度変調放射線治療を年間10例以上行っている。(1)より移動
【16】これまで、認定協力施設として登録して参りました。田舎の放射線治療施設で確かに「誇れるような最先端」治療も行っていませんし、医師一人での勤務の身の丈で細々とやっているのは事実です。
それでも「認定協力施設」に登録させていただいてきたのは、他科との協力関係の下、高齢者・全身状態不良例も含め、また、最先端治療の適応でなくなった患者の症状制御を主目的とした治療も含め、きわめて多岐にわたる放射線治療の経験を積める施設として、仮に若い先生で「がん治療医としての現場を経験したい」という方がいらした場合にも、放射線腫瘍医としてのキャリアにすることが出来るように・・・と考えたからです。もっとも、残念なことに、今まで該当するような医師の確保は出来ませんでした。
今回は認定施設の要件ですので、当院のような末端施設は検討対象外なのかもしれませんが、仮にこの条件で認定施設のみの構造になると、現在、一人常勤医で頑張っている施設には、治療専門医取得前の先生がいらっしゃれないことになります。
勿論、学会としては「一人常勤」を認めない方針なのかもしれませんし、無力な施設の救済を必要としないお立場かもしれませんが、現状として一人常勤すら確保できない(たとえば東京都内のかなりの施設でも非常勤で対応している)状況で、しかも認定施設外では専門医を取れないと言う場合、学会としてその将来構想の中で、「何年でどれぐらいの充足」と目指しているのか」というてんについてビジョンをお示しいただきたいと思います。
また、施設側の問題だけでなく、比較的患者との関係性が希薄になりやすい大規模施設での研修だけで「放射線治療専門医」となることが、放射線腫瘍学専門家として「がん治療の専門医」としてのキャリアにとって好ましいのか否か、考慮していただければ幸いと存じます。
高齢者・基礎疾患を有する患者・終末期に至るまでの症状緩和に適切に対応することが好ましい患者など、がん治療のメインストリームから外れ、いわゆる「エビデンス」が通じない症例が、従来の認定協力施設レベルにはかなり居ると思います。がんセンターに勤務した経験から考えましても、やはり症例のほとんどはセレクトされており、治療適応を悩むような症例は比較的少なかった様に思います。
専門医としての存在が、「高精度」と「エビデンス」では、本当の放射線治療専門医のニーズにはこたえられないと思います。
その意味では、むしろ、施設認定と絡めて、専門医の取得要件に「市中病院での放射線治療常勤医としての勤務経験1年」のようなことをご検討いただきたいと思います。
【17】パブリックコメントではなく、質問です。「多くの会員から、放射線治療の一定の質を担保している施設を新たに認定施設として認定して欲しいとの要望があります」とありますが、多くの会員とは、何名ですか? どこでその要望がわかりましたか? それを明らかにした上で、ひとまず「全国の会員の皆さん」にアンケート調査、とはならないのですか?
?認定されるメリットは何であるとお考えでしょうか?
また、全国で何%の認定が望ましいとお考えでしょうか?全施設が目指すべきですか?
ほんの一部でいいのですか?認定されない施設の立場は何ですか? 患者が紹介されても「よそに認定施設があるでしょうに」といって真面目に断ればいいですか。「ウチは認定施設じゃないけど、あとで文句を言うなよ」と念書をとりますか。放射線治療医としては、「暇になった」と喜ぶか、「あと一人いれば認定される」という施設に転勤して、もと居た施設の放射線治療部門を潰すか、どっちかでしょう。均てん化でなく、二極分裂という形の集約を狙いますか?
【18】まず、認定の趣旨については賛同致します。この認定制度の趣旨が、「放射線治療施設の充実を図り、もって国民の福祉に貢献すること」を目的とするならば、国民の立場に立って広く放射線治療の情報を提供し、その有益性を多くの国民が受けることができるようにすることには重要な意義があります。ならば、その認定施設基準には問題があるのではないでしょうか。
施設基準が①入院施設を持つ医療機関に限られていること、②外照射新規症例数が300例以上と多いことやそのほかの要件から考えて、一握りのチャンピオン施設の認定を争っているようにしか見えません。2009年定期構造調査でも一施設あたり300人以上の患者数を扱っているのは30%で、大半の施設はそれ以下です。しかも、地域偏在が著しく、いくつかの県では認定施設が1箇所もないと言う事態に陥りそうです。地域によっては大規模施設に送ること、通わせることが困難な中、地域の中規模病院ががんばっていると思います。また、大規模病院では患者数が多すぎて十分な対応ができていないのではないかという心配もあり、むしろ大規模施設(高負荷施設)から中規模施設への流れを作ってもいいかもしれません。規定案の認定ではますます集中化の流れを助長するとしか思えません。
また、規定案は日本医学放射線学会の医師の研修を目的とした施設認定基準と類似しているので、改めてJASTROが同様の認定をすることの意義は乏しいように思います。むしろ、国民の立場に立った独自性のあるものが良いのではないでしょうか?
私が考える認定の意図は(1)症例数が少なく、一定の治療レベルを保つことが困難である施設の排除(治療施設の底上げの意味で)、(2)治療施設の情報開示の2つです。以下、その意図を満たすための認定基準を考えてみました。
認定基準
① 年間外照射新規患者数100例以上
② 放射線治療専門医が常勤であること
③ 放射線治療に関する情報開示を行うこと(学会のWebsiteで公開)。情報開示の事項として、治療専門医の氏名、放射線治療品質管理士等の有無、マルチリーフコリメーターの有無、治療計画用CTの有無、3次元治療計画装置の有無、定位照射の実施実績、強度変調放射線治療の実施実績、入院対応の有無(ベッド数の条件は不要と思われる)、放射線治療安全管理マニュアル(病院として正式に認定されたものに限る)の有無、小線源治療装置の有無、および装置が設置後10年以上経過している施設を公表してもらいたい。
その他の条件の中でポイントになるものに病理医、小線源治療、治療関連の診療放射線技師・スタッフの事項があります。病理医については認定条件としては不要と考えます。密封小線源については専門医認定に際には必須要件ですが、JASTRO施設認定に際には不要です。治療医は一度は小線源について経験を持つべきと思いますが、施設にそれがないからと言って、優れた外部照射技術を備えた施設を認定しないのは適切ではありません。最後に治療関連の診療放射線技師・スタッフについては在籍してもらうのが望ましい条件ですが、情報開示事項に入れるということでよいと思います。
以上のような条件で認定のハードルは低くなりますが、これにも該当しないような施設は排除する方向でよいと考えます。およそ70%程度の放射線治療施設が取得可能なものになると思います。
この件はJASTROにとって大きな問題です。可能なら次期学会で大規模施設、中規模施設、小規模施設、特殊施設などの代表者が討論する場を持った方がよいのではないでしょうか?企画を考えて頂ければと思います。
【19】新しい認定施設制度の趣旨には賛同しますが、「国民の福祉に貢献する」ためには、少なくとも当面は旧認定協力施設レベルにも基準を定めて、何らかの認定を与えるべきと考えます。
理由
年間300例を越える乳癌手術を行っている大阪ブレストクリニックの芝英一院長は、「術後照射等の放射線治療は、JASTROの認定施設(旧認定施設、準認定施設、認定協力施設)に依頼している」と述べている(第118回関西Cancer Therapistの会での講演にて、平成24年6月6日)。このように認定医を教育するという視点から定められた旧認定施設制度でさえ、紹介・依頼の目安として扱われている現状で、「放射線治療施設の充実を図り、もって国民の福祉に貢献することを目的」とする新しい認定施設リストが公表されれば、一般には「認定されていない施設=安心して治療を受けられない施設」と認識されるkことは明白である。
一方、新しい認定施設制度施行後も引き続き認定されると思われる大学病院、がんセンター等中核施設の中には、院外からの放射線治療患者の受け入れ制限を行っている施設もあると聞く。「国民の福祉に貢献する」はずの新しい認定施設が受診制限を行うとなれば、この制度による新たな「がん難民」が発生するであろう。
以上より、新しい認定施設リストに、受診・紹介等放射線治療施設利用の指標という側面が多少ともあるのであれば、現在の認定協力施設の様な「守備範囲は限られるが、一応のレベルに達している」施設にも何らかの基準を定めて認定を与えるべきである。
【20】認定の名称について:認定とは、何らかの要件を満たしたものを認定するものと思いますが、単に、認定施設だと、何を認定しているのかわかりません。第1条に目的・名称の記載があります。この中に、「放射線治療施設の充実を図り、もって国民の福祉に貢献すること」という記載がありますが、どのような施設を認定するのかの記載が必要だと思います。この部分に「提供している放射線治療について、一定の質を担保している施設を、認定する」などの、文言が必要であろうと思います。
提供している医療の質が良いのかどうかの判定は、難しいので、症例数、人的要件、等の評価を行っているのですが、将来、「良い医療:制御率が一定レベル以上」という時期が来るのかもしれません。この規定の中で盛り込むことは難しいものと思いますが、がん登録の有無などの項目を盛り込むことができるようなら、お願いしたいと思います。
【21】1) 第11条の(2)にて密封小線源治療10例がどれほど重要なのか?
絶対適応の疾患は限られており、決して必須の治療法とはいえないと考えます。もっとも、子宮頸癌についてはいまだ標準治療であるが、患者数が激減しています。年間10例に届きにくい施設もいくつも聴いています。多いという偏りは、公平性を欠くと思います。
一方で、私の思うところ、定位照射は間違いなく、場合によってはIMRTも必要治療です。これこそは必須治療にするべきかと愚考しております。
2) 次の懸案ですが、現在の検討は認定施設ですが、研修協力機関についても次には規程していただけるのでしょうか?
【22】第12条(3)によりますと医学物理士が勤務していることが必須となるようです。当施設でも医学物理士はすでに必要不可欠な存在であり、この条件は今日のアカデミック施設ではごく当たり前のものとなりつつあるとも思われます。しかしながら、現時点で日本では物理士自体が少なく、また、その存在によって放射線治療の質がどのようにかわり、アウトカムに影響しているかという十分なエビデンスはないという問題点もあると思います。以下にコメント致しますので何らかのご教授を頂戴出来ますと幸いです。
1.全国でどの程度の数の施設を「認定施設」とする予定でしょうか?
地方国立大学病院、私立医大分院、地域の中核病院=OO県立中央病院などで、物理士の存在の有無だけが大きく影響するような事態は想定されませんでしょうか。また、今までの認定施設のうち、物理士がネックとなって認定されない施設がどの程度出てくると把握されていますでしょうか?
2.現状のエビデンスに基づくものではなく、物理士の重要性を周知するなど今後の戦略として物理士を必須としようとしているのでしょうか(物理士雇用への病院の理解や保険診療上の施設基準への明記や資格化)?
3.この(案)は当然医学物理士のいる施設あるいは物理士自体が作文にかかわられ
ていると思われますが、作成時点で上記のような点について物理士のいない施設を交えた議論はされているのでしょうか?
また、作文された物理士の方への質問ですが、13条(7)の「第三者機関による放射線治療の出力線量の評価を1回/3年以上」のところの3年に1回以上の根拠はどういう点でありますでしょうか?
4.医師、看護師、医学物理士、品質管理士のうちで最も人材が不足しているのが物理士と思われます。1人の物理士が高給で民間病院に引き抜かれただけで認定施設から脱落するような事態も想定されます。供給の保証されない医学物理士をスタッフとして必須条件にするのは(戦略的には良くても)制度としては脆弱なシステムとなる恐れもあるのではないでしょうか?
【23】・「三次元的放射線治療以上の放射線治療」という内容がやや不明確のように思います。「以上」とか「以下」という表現は適切ではないように思われ、具体的に示された方が良いのではないでしょうか
・「放射線治療部門が確立されている。」について、もう少し具体的な記載があると有り難いです。たとえば、「専従の部門長を配する」など・・・
・将来像を見据えた施設基準であるならば、「放射線治療品質管理機構の定める放射線治療品質管理士」の是非はいかがでしょうか?議論が多いところだと思いますが、「医学物理士」との兼ね合いで、厚労省的には困惑する施設基準に見えるかとおもいます。
・たしか、「CTシミュレータ」は商品名ではなかったかと思いますがいかがでしょうか。また、山梨大などは通常のX線シミュレータにCTを一体化した装置でいわゆるCTシミュレータではありません。診断用CTにフラット天板をおいて運用している施設も多いように思います。「治療専用CT画像を用いた治療計画装置」ではいかがでしょうか?