No.48
米国におけるIMRT使用状況の調査
A Survey of intensity-modulated radiation therapy use in the United States
Mell LK, et al.
Cancer 98:204-211, 2003
背景
米国における強度変調放射線療法(IMRT)の使用の現状を調査することを目的とした。
方法
333人の放射線腫瘍医を無作為に抽出し、IMRTに関する13問の質問紙を送付した。IMRT使用者に対しては、IMRTを施行している患者数と部位、 IMRTを行っている理由と将来の計画を質問した。IMRTを行っていない医師に対しては、IMRTを施行していない理由、将来の計画とその理由を質問した。
結果
168人(50.5%)から回答があり、そのうちの54人(32.1%)がIMRTを開始していると回答した。また殆どの(79.6%)使用者は2000年からIMRTを開始したと回答した。研究施設の医師での使用が開業医より有意に高かった(p=0.003)。施設における医師の数での使用率を比較すると、1人の施設が15.4%、2-4人の施設が28.4%、4人以上の施設が44.2%人であった(p=0.02)。使用が最も多い部位は頭頸部と泌尿生殖器であった。114人のIMRTを施行していない医師のうち96.5%がIMRTを導入予定であると回答し、そのうち91.8%は3年以内に導入予定であると回答した。IMRTを施行していない医師の最も大きな理由は必要な装備がないことであった。IMRTを使用している、あるいは使用したい最も大きな理由は通常の線量での線量分布の改善と線量増加であった。
結論
米国では約3分の1の放射線腫瘍医がIMRTを使用していた。しかしその数は急速に増加すると考えられた。この新技術の安全性と適正使用を保証する努力が必要である。
現状では、日本で米国同様にIMRTが普及することは、装置や人的資源の点で難しいでしょう。適切な放射線療法を普及させるための国家的な支援があるべきだと思います。
(唐澤 久美子)