No.269
局所進行子宮頸癌に対するCT画像誘導小線源治療の線量評価:日本の前向き多施設共同研究
Dosimetric feasibility of computed tomography-based image-guided brachytherapy in locally advanced cervical cancer: a Japanese prospective multi-institutional study Yuki Otani, et al.
J Radiat Res. 2021 May 12;62(3):502-510. doi: 10.1093/jrr/rraa138
子宮頸がん放射線治療における画像誘導小線源治療が日本国内でも急速に普及しつつあります。
この研究は群馬大学、大阪大学などのグループによる、中央遮蔽を用いたCT画像誘導小線源治療における線量処方の標準化を目指した多施設共同前向き観察研究の線量評価を行ったものになります(治療成績は昨年のJASTRO等で報告し、現在論文作成中)。High-Risk Clinical Target Volume (HR-CTV)に対する推奨線量と、直腸・膀胱・S状結腸に対する線量制約から3段階の目標線量を設定した治療方法となっております。この論文の興味深い点として、1回目の小線源治療では十分な線量投与が出来なかった場合であっても、2回目以降に組織内照射を追加するなどして、しっかりと線量制約を守り、HR-CTVに十分な線量を投与することを実現しております。これは小線源治療4回全体での線量処方を考えることの重要性を示す結果と考えられます。
実臨床においても、1回1回の小線源治療での線量処方も重要ですが、限られた時間で、より良い治療を行うために、小線源治療全体や外照射の線量寄与を考慮した線量処方を行うことが重要と考えており、ぜひ一読いただき皆様の子宮頚がん小線源治療に生かしていただければと思います。
若月 優・量子科学技術研究開発機構QST病院(JASTRO編集委員会)