会長挨拶
日本放射線腫瘍学会第35回学術大会 会長 永田 靖 (広島大学 放射線腫瘍学) |
このたび、日本放射線腫瘍学会第35回学術大会を広島で開催させていただくことになりました。35回のJASTROの歴史の中で初めての中国地方での開催となります。またコロナ禍により2020年札幌大会と2021年仙台大会がWEB開催となり、2019年名古屋大会以来で3年ぶりの現地開催を目指しております。是非とも皆様方と対面でお会いして、現地学会開催のメリットを実感したいと考えておりますが、2年間開催されましたWEB開催のメリットも活かしたいと思っております。
テーマは、「百万一心―高精度放射線治療の現状と行方―」とさせていただきました。
百万一心(ひゃくまんいっしん)は、戦国大名の毛利元就が吉田郡山城の拡張工事の際に人柱の代わりに使用した石碑に書かれていた言葉です。
百万一心とは、「百」の字の一画を省いて「一日」とし、「万」の字を書き崩して「一力」とすることで、縦書きで「一日一力一心」と読めるように書かれており、「日を同じうにし、力を同じうにし、心を同じうにする」ということから、国人が皆で力を合わせれば、何事も成し得ることを意味しています。放射線腫瘍医、歯科放射線科医、医学物理士、診療放射線技師、看護師、理学療法士、薬剤師、事務職員による「放射線治療におけるチーム医療」の重要性と合致する言葉として、選ばせていただきました。
また我が国の高精度放射線治療は、原体照射、CTシミュレータ、体幹部定位放射線治療、IMRT、IGRT、IGBT、粒子線治療、人工知能と世界をリードして発展して参りました。これらの現状認識と問題点、将来予測を行うために、装置・機器展示体験、治療計画の実習体験を含めて行いたいと考えております。
そして日本の国際的な立場よりも、FARO, ESTRO, ASTRO、日中韓、日台らの関係を重視し、海外からの参加者を可能な限り受け入れて、世界との国際交流事業も可能な限り推進して参りたいと思います。
会場はリーガロイヤルホテル広島とNTTクレドホールの他に、広い広島グリーンアリーナを確保いたしました。皆様方には、ゆったりとした環境で学会をお楽しみいただけるものと考えております。11月の広島は紅葉もきれいな季節ですので、瀬戸内の新鮮な食材とともに秋の広島を十分堪能していただけたらと、教室員一同で準備をしております。皆様のご参加を心よりお待ち致しております。