優秀教育講演賞、Highly Cited Award、優秀査読者賞、
優秀教育発表奨励賞のご案内
優秀教育講演賞
齊藤 泰紀
(藤田医科大学病院 放射線部 放射線治療品質管理室)
この度は、日本放射線腫瘍学会優秀教育講演賞という栄誉ある賞にご選出頂き、大変嬉しく思っております。昨年の放射線腫瘍学夏季セミナーにおきまして、講演の機会を与えてくださった世話人の林真也先生をはじめ教育委員会の先生方、また、私の講演を受講して評価してくださった先生方に心より感謝申し上げます。
私は昨年の放射線腫瘍学夏季セミナーにおきまして、『放射線治療計画 物理(IMRTを中心に)』を担当させて頂きました。近年は脊椎やオリゴ転移に対する定位放射線治療が保険収載され、SRTやIMRTを含めた高精度放射線治療がますます重要になっていると感じております。その中で放射線治療物理という分野はなかなか苦手な先生方も多いかと思いますが、今回の講演は日常臨床の中でお役に立てるようにと考えながら講演の資料を作成しておりましたので、実際の日常臨床の中で多少でもお役に立っていれば非常に嬉しく思います。
今回の受賞に際しまして、藤田医科大学病院放射線治療室のスタッフとこれまでご指導いただいた先生方へ感謝申し上げます。今後とも、放射線腫瘍医、診療放射線技師、医学物理士、看護師等の様々な職種と協働し、患者さんにより良い放射線治療が実施できるように努めていきたいと思っております。この度は、誠にありがとうございました。
安田 耕一
(北海道大学病院 放射線治療科 助教)
この度は、日本放射線腫瘍学会優秀教育講演賞という身に余る賞に選出していただき、心より感謝申し上げます。受賞にあたり、教育講演の機会を与えてくださった教育委員会の先生方、大会関係者の皆様、そして私の講演を視聴し、このように評価していただいた皆様に心より感謝申し上げます。
最初に山内智香子先生に頂いたお題は「頭頸部IMRT」でした。過去の教育講演で全国の名だたる先生方が講演されている内容であり、それに私が何を加えて言うことができるのか、大変悩みました。頭頸部には様々な部位の癌が含まれており、それらを広く浅く、網羅的に講演することも考えましたが、山内先生に相談の元、最終的に上咽頭癌一つに絞ってより深い内容の講演にすることとしました。上咽頭癌はほぼ全ての病期において放射線治療が根幹であります。コンツーリングにおいては、上咽頭癌の頭蓋底方向の浸潤に関してたくさんの覚えるべき解剖構造があります。当院では上咽頭癌は基本的には放射線治療医が主治医となって一連の治療や経過観察を行っております。そのため、上咽頭癌全体の治療方針(戦略)、そして薬物療法の知識も最低限必要です。全国の若い放射線治療医が、上咽頭癌患者の主治医になった時の助けになるよう、最新のエビデンスを極力盛り込んでスライドを作成しました。今回オンライン開催であり、発表の手ごたえは全くありませんでしたが、今回このような賞を頂けるとのご連絡をいただき、本当に宙に浮くような嬉しい気持であり、大変光栄の至りと存じます。
今回の受賞は、日頃よりご指導いただいている諸先輩方、いつも助けてもらっている同僚や後輩の皆様のおかげと感謝しております。今後もより一層、教育や臨床、研究に励みたいと思います。この度は誠にありがとうございました。
Highly Cited Award
有村 秀孝
(九州大学大学院医学研究院保健学部門医用量子線科学分野)
この度は栄誉あるHighly Cited Awardを頂きましたことに日本放射線腫瘍学会理事長、大会長、編集委員長及び関係各位の先生方に心より御礼申し上げます。
受賞対象の論文は「Arimura H, Soufi M, Ninomiya K, Kamezawa H, Yamada M. Radiomics with artificial intelligence for precision medicine in radiation therapy. J Radiat Res. 2019 Jan 1;60(1):150-157.」です。これはレディオミクスの解説論文で専門外の方にもレディオミクスに興味をもってもらえるよう、できるだけ平易な文章で、少しだけユーモアを含めて、分かりやすく書いたつもりです。Highly Cited Awardを受賞できたということはその思いが伝わったのかなと大変嬉しく思います。レディオミクスでは画像上のがんの性質を定量化し、予後との関連性を調べることで、画像から予後予測しようという技術です。元々レディオミクスは放射線治療の分野で提案されており、本学会との親和性が高い画像技術だと思います。この論文を書いてから3年以上経ち、現在はがんの数理に迫る(?)新しいレディオミクス研究を模索しています。
最後に、受賞論文は4人の元学生、スーフィー・マーゼン先生(奈良先端大)、二宮健太先生(Sanford Burnham Prebys Medical Discovery Institute)、亀澤秀美先生(帝京大学福岡)、山田真大先生(IT企業)の研究と努力の成果であり、ここに感謝申し上げます。(最後に一句:なぜ私?身に余る賞に祝酒)
優秀査読者賞
山崎 秀哉
(京都府立医大放射線科)
この度は栄誉ある賞を頂きまして誠にありがとうございます。査読作業は地味で、あまり表に出てこない作業で(最近はいくつかの雑誌ではそうでもないですが)、なかなか評価されないところがあるようにも思います。お忙しい研究者の皆様にはあまり来てほしくない依頼であることも十分理解できます。ボランティア精神に基づくこのようなPeer Reviewの方式についてもいろいろと問題点があるのでしょう。一方先輩方から、査読の目的は論文を批判する事では無く、読者・筆者にとってよりよい論文にするためのお手伝いであるとお伺いしたことがあります。自分の論文でもよい査読者の方にあたると化ける経験もいたします。海外の査読者の方も査読の機会を与えて頂き感謝するとのコメントが付くことが多いようです(礼儀的なものもあるでしょうが)。義務というよりも権利として今後ともよりよい雑誌、学問の場を作るお手伝いをさせて頂ければと思います。このような場を与えて頂いた編集委員長、理事長、大会長の皆様に御礼申し上げます。
白井 克幸
(自治医科大学附属病院 放射線治療科)
この度は優秀査読者賞と大変名誉のある賞を、昨年に引き続き受賞することができ誠にありがとうございます。私としてはJRR誌の査読はJASTRO会員としての務めであると思っておりまして、忙しい時でもできるだけ迅速に対応できるように心掛けております。
私が査読を担当させていただく際に気をつけている事は、この論文が世に出た際に、より読者にとって有用な情報を含み、臨床実地において有益になってもらえればと思い、コメントをしております。また、たとえ論文においてリミテーションがあったとしても、臨床において重要な気づきを与えてくれる論文や、放射線治療分野において一遇を照らすような内容については、できるだけ採択してもらえればと思い査読を心がけています。私自身も査読するだけではなく、積極的にJRR誌に投稿をしていきたいと思っています。
また、最後にこのような機会を与えていただいた理事長、大会長、編集委員長の先生方には心より御礼申し上げます。引き続きJRR誌のさらなる発展につながるよう、微力ながら貢献させていただければと思います。JRR誌がJASTRO会員の皆様から親しまれ、そして投稿先として大いなる目標となるような学会誌に、発展していただければと願っております。
優秀教育発表奨励賞
P2-1 | 子宮頸癌根治放射線治療後の小腸穿孔-腔内照射における合算小腸線量の検討- | |
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礒橋 文明 | (大阪大学 放射線治療科) | |
P2-4 | 腹壁進展を伴う巨大な切除不能外陰癌に対して組織内照射を施行した1例 | |
藤岡 伝 | (筑波大学 医学医療系 放射線腫瘍学/筑波大学附属病院 放射線腫瘍科) | |
P5-2 | 頭皮血管肉腫に対するIMRT/VMATを用いた放射線治療の治療成績の報告 | |
高 将司 | (富山県立中央病院 放射線治療科) | |
P11-5 | 口唇癌の放射線治療でスペーサーにより有害事象の低減と線量分布の改善が得られた1例 | |
濱 瑞貴 | (国立病院機構 南和歌山医療センター 放射線科) | |
P19-1 | 肝区域間や肝表面の肝細胞癌に対する肝動脈塞栓療法と体幹部定位放射線治療の併用療法 | |
井上 正義 | (市立東大阪医療セ 放) | |
P20-2 | 副腎転移に対する緩和照射にてアブスコパール効果を示した鼻腔原発悪性黒色腫の1例 | |
高橋 和也 | (藤田医科大学病院 放射線科) | |
P20-4 | 全身性多発転移胃癌に対し,姑息的放射線治療とニボルマブ治療を行った症例 | |
梅宮 和真 | (福島県立医大放射線腫瘍学講座) | |
P29-2 | 上咽頭癌に対する強度変調陽子線治療の初期経験 | |
依田 恵 | (北海道大学医学部 医学科) |
※口演演題においても選考を行ったが該当なし
田口 千藏
(がん研究会有明病院 放射線治療部)
この度は、日本放射線腫瘍学会優秀教育講演賞という名誉ある賞を賜り、大変光栄に存じます。今回の受賞は、講演の機会を与えていただいた先生方並びにこれまでにご指導いただいた先生方のお陰であると感謝申し上げます。特に小口正彦先生におかれましては、いつも温かく見守ってくださり、ご指導いただきましたこと、心より感謝申し上げます。悪性リンパ腫の病態は多様であり、また治療法も多様です。各病態に最適な放射線治療を行うためには、基本的な知識の習得に加えて、アップデートされた臨床応用に関する知識も必要です。しかし病態が多様であるがゆえに、それらの知識を得るためには多くの時間を要します。私は昨年の第22回放射線腫瘍学夏季セミナーにおきまして、「悪性リンパ腫の放射線治療」というタイトルで教育講演を担当させていただきました。限られた時間で効率良く必要な知識が得られるよう、自分なりに要点をまとめました。少しでもお役に立てたのでしたら幸いに存じます。これからも最新の知識を得て放射線腫瘍学の発展に貢献できるように、日々精進して参ります。
最後になりましたが、今後とも一層の努力をいたす所存でございますので、変わらぬご指導のほどよろしくお願い申し上げます。この度は、本当にありがとうございました。