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No.224
高齢者膠芽腫における短期放射線治療+テモゾロマイド併用

Short-course radiation plus temozolomide in elderly patients with glioblastoma.

Perry JR, Laperriere N, O'Callaghan CJ et al.

N Engl J Med. 2017 Mar 16;376(11):1027-1037.doi:10.1056/NEJMoa1611977.

背景

高齢者の膠芽腫は予後不良である。70歳以下では60Gy/6週間の通常分割照射+テモゾロマイド併用が生命予後延長に有用とされているが、高齢者に頻用される短期照射に対してテモゾロマイドを併用する意義は不明であった。

方法

手術又は生検で病理学的に膠芽腫と診断された65歳以上の患者をランダムに40.05Gy/15分割の放射線治療単独群(RT)と、テモゾロマイド併用群(RT+TMZ)に割付した第Ⅲ相ランダム化試験。患者登録の時点で主治医が60Gy/30分割の通常分割照射が適さない症例と判断している。

結果

合計562例をランダム化し、各群281例ずつに割付した。
年齢の中央値は73歳(65〜90歳)。
急性期血液毒性に関しては、両群ともに許容範囲内と考えられた。
生存期間中央値(OS)はRT群に比べてRT+TMZ群において延長した(7.6ヶ月 vs 9.3ヶ月; ハザード比 0.67; P<0.001)。
65〜70歳の群においては、OS延長のbenefitは少なかった(8.3ヶ月 vs 8.7ヶ月; ハザード比 0.93)
無増悪生存期間中央値も同様にRT+TMZ群において延長した(3.9ヶ月 vs 5.3ヶ月; ハザード比 0.50; P<0.001)。

MGMTがメチル化していた165例においては、OSはRT群に比べてRT+TMZ群において有意に延長したが(7.7ヶ月 vs 13.5ヶ月;ハザード比 0.53; P<0.001)、MGMTにメチル化が無かった189例においては、OSの有意な延長は見られなかった(7.9ヶ月 vs 10.0ヶ月;ハザード比 0.75; P=0.055)。

QOLに関してはEORTCのQLQ-C30およびQLQ-BN20を用いて、治療中および治療後3ヶ月毎に膠芽腫の増悪が見られるまで評価したが、両群ともほぼ同様の結果であった。

コメント

最近は当施設でも高齢者の膠芽腫に対して、脳外科より短期照射を依頼される、または当科から提案する機会が増えており、治療完遂率の向上および入院期間短縮と患者負担軽減につながるものと考えている。今回紹介した第Ⅲ相試験の結果によって、さらにこの流れは進むかもしれないと感じた。

また、65〜70歳の患者群に対してTMZ併用はbenefitが少なかったという結果である。そもそも60Gy/6週間の通常分割照射+TMZ併用が適さないと判断した症例を対象に行われた臨床試験であるが、やはり65?70歳では通常分割照射+TMZ併用を勧めた方が良いかもしれないと筆者らは述べている。

Evidence Level 1b
PMID 28296618

(札幌医科大学・征矢野 崇、染谷 正則)

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