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No.210
良好リスクDCIS部分切除後の術後放射線治療と経過観察のランダム化比較試験(RTOG9804)

RTOG 9804: A Prospective Randomized Trial for Good-Risk Ductal Carcinoma In Situ Comparing Radiotherapy With Observation

McCormick B, Winter K, Hudis C, et al. J Clin Oncol 33:709-715, 2015

目的

DCISに対する部分切除後の放射線治療の追加により、局所再発が減少することは多くの試験で示されている。一方でDCISは不均一な疾患であり、本試験ではそのうち良好リスクDCISの患者群に対する部分切除後の放射線治療は経過観察と比較して便益があるかどうかを評価する。

対象と方法

1998年から2006年に検診マンモグラフィーがきっかけで低グレードまたは中間グレードのDCISと診断され、腫瘍径2.5cm未満、部分切除術後の病理診断で切除マージン3mm以上と評価された患者が対象。
術後放射線治療群(RT群)と、経過観察群を比較したランダム化比較試験である。1790人のサンプルサイズで計画されたが、症例集積不良による早期中止となった。
登録されたのは636人の米国、カナダ人女性。タモキシフェンが62%で任意に投与されている。主たるエンドポイントは同側乳房内再発。また、対側再発、全生存、有害事象発生頻度をそれぞれ評価した。

結果

観察期間中央値は7.17年(0.01-11.33年)。同側乳房内再発はRT群で2件、経過観察群で19件、7年の局所再発率は0.9%対6.7% ハザード比0.11(95%CI:0.03-0.47) P<0.001。G1-2の急性期有害事象はRT群で76%、経過観察群で30%、G3-4の急性期有害事象はRT群で4.2%、経過観察群で4.0%。放射線治療による晩期毒性はG1:30%、G2:4.6%、G3:0.7%であった。

結論

本検討の対象リスクグループのDCIS患者では7年の時点での同側乳房内再発の絶対リスクは低いものの、RT群で有意なリスクの低下が認められた。この病態の評価はより長い観察期間が必要で引き続きのフォローアップが予定されている。

コメント

従来のランダム化比較試験でDCISの部分切除後の放射線治療の便益は示されているが、本試験ではそのうち低リスクの対象に限定して試験が行われた。症例集積不良により早期中止となったが、この集団でも照射の追加による同側乳房再発は有意に抑制された。
ただし局所再発の絶対リスクは低く、本試験の結果をもって全症例で放射線治療を行うべきとは結論付けられない。同号のSmithによるCommentでも期待余命、併存疾患、放射線治療で予想される有害事象、患者の希望を考慮して治療の要否を判断すべきと指摘されている。

(Evidence level Ib)
(PMID: 25605856)

(がん・感染症センター都立駒込病院 清水口卓也 二瓶圭二)

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