ホーム > Journal Club > 眼付属器低悪性度リンパ腫に対する低線量照射(4Gy/2回)

No.196
眼付属器低悪性度リンパ腫に対する低線量照射(4Gy/2回)

Low-Dose Radiation Therapy (2 Gy × 2) in the Treatment of Orbital Lymphoma.

Fasola CE, Jones JC, Huang DD, et al.
Int J Radiat Oncol Biol Phys 86: 930-935, 2013

目的

眼付属器低悪性度リンパ腫に対する低線量照射(4Gy/2回照射)の報告である。

対象・方法

眼付属器低悪性度リンパ腫20例27病変。根治照射7例、姑息照射11例、 放射線治療後再燃に対する救済照射2例。

一側15例(内1例は治療後対側再燃)、両側612病変。

治療計画は二次元10病変、三次元17病変。GTVは臨床的に、またはCTMRIPETを用いて決定。GTVに「十分な」マージンを付加しCTVとした(患側眼窩全体をCTVとしたのは1例のみ)。表在性病変には612MeV電子線に適宜ボーラスを併用、深在性病変には916MeV電子線、または46MVX線を使用。水晶体は「適宜」遮蔽。

結果

 観察期間中央値26ヵ月(792ヵ月)。奏効率96%, CR85%PR11%CR例は2年間照射野内再発なし。対側再燃が1例で2年局所制御率96%。再燃例は4Gy/2回の救済照射でCRとなり再照射後42ヵ月無病生存中。30%に急性期有害事象がみられたが、眼球乾燥、結膜炎、一過の眼周囲浮腫など、いずれも軽微。晩期有害事象なし。 

結論

 4Gy/2回の低線量照射は、低悪性度眼付属器リンパ腫に有効であり、局所再発例の救済治療の選択肢にもなり得る。

コメント

 悪性リンパ腫の放射線治療は、一時期、長期成績への寄与が明らかでないように言われた時期もあったが、改めて有用性が再認識されてきた。ただし、晩期有害事象への配慮から、以前に比べ高線量を追求せず程々で済ませ、照射野も縮小される傾向になってきている。早期ホジキンリンパ腫の放射線治療が、このような傾向にあることは、Journal Club No. 190 で紹介されている通りである。

本報告では、これ以下は経過観察しか考えられない程の、究極の低線量に行き着いている。この線量でも治療成績が維持できるのなら、有害事象の観点からも有意義であり、今後の症例の蓄積を待ちたい。ただ、権威あるIJROBPに掲載された論文ではあるが、マージンの設定や、水晶体ブロックの方法については、具体的な記載がないため、治療計画にはまったく役に立たない点は不満が残る。Treatment details の項にTreatment detailが書かれていないのである。2Gy2回照射するだけでも水晶体ブロックを省略すべきでないのかどうかも述べられていない。また、軽微とはいえ、はたして2Gy2回照射しただけで30%も副作用が出るものかどうか疑問に思われ、さらなる症例の蓄積を待ちたい。

Evidence level: 4

PMID:  23726002

(KKR札幌医療センター 永倉久泰)

JASTRO認定施設

JASTRO認定施設

広報情報