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「第8回放射線腫瘍学夏季セミナー」・「第12回医学生・研修医のための放射線治療セミナー」報告記

ありがとうございました ―第12回医学生・研修医のための放射線治療セミナー・第8 回放射線腫瘍学夏季セミナーを終えて―

当番世話人
東京医科歯科大学放射線科 渋谷  均

 本年も恒例の 8 月の第 1 金・土・日曜日に,第12回医学生・研修医のための放射線腫瘍学セミナーと第 8 回放射線腫瘍学夏季セミナーを,東京の裏庭の熱海でお世話させていただきました。昨今の熱海は“失われた10年”による景気後退もあり,いまだ活気が失われているとされますが,新幹線こだまも停車し関東・関西からのアクセスも良く,温泉に浸かりながらの勉強や交流も魅力でしたので,会場に選ばせていただきました。
 参加者の医学生・研修医41名,夏季セミナーに120名と,次代を担う多数の若手の受講者があり,熱海市主催の花火大会の日程と重なり,好評のうちにセミナーを終えることができました。今回は早くから,内野三菜子先生(埼玉医科大学),板澤朋子先生(横浜市立大学),中村聡明先生(大阪大学),学会事務局からアイデアをいただきました。芦野靖夫氏(CMSジャパン)には,学生の参加者の増加に極力ご対応いただいております。講師やチューターの諸先生,静岡がんセンターのスタッフにもご多忙の中,時間を割いてご協力いただき心から感謝いたします。
 熱海は海辺でもあり,夜釣りや水泳をしてゆとりの時間を過ごした参加者もあったと聞いています。しかし,今回の勉強と交流がいつの日にか開花し,実を結ぶことを期待して,参加者の皆様にもう一度御礼申し上げます。

第9回放射線腫瘍学夏季セミナー・第13回医学生・研修医のための放射線治療セミナーの開催に向けて

熊本大学医学薬学研究部放射線治療学 大屋 夏生

 来る平成19年 8 月 3 日(金)から 8 月 5 日(日)にかけて,第 9 回放射線腫瘍学夏季セミナー,および第13回医学生・研修医のための放射線治療セミナーを,熊本において開催させていただくことになりました。熊本大学に放射線治療の講座が創設されて現時点で 2 年に満たず,スタッフも極めて少ないうえ,世話人をおおせつかった私自身,このような大規模なセミナーを担当するのは初めての経験なので,光栄に思うと同時に大きなプレッシャーを感じています。
 熊本県は,阿蘇に代表される雄大な自然に囲まれ,まさに「火の国」の呼称にふさわしい,ホットな活力みなぎる土地といえます。また熊本市は,豊かな阿蘇山系伏流水が暮らしに浸透し,市街地にも濃厚な緑が育まれていて,「水の都」あるいは「森の都」という,クールな一面も備えています。
 重厚な文化に彩られた歴史都市でもあり,折しも平成19年は,熊本城築城400年にあたり,セミナーの会場はこの熊本城のお膝元,国際交流会館を中心に設定する予定です。400年の歴史に想いを馳せながら,放射線治療の過去・現在をクールに見つめ直し,さらにその未来をホットに語り合うというのも,夏季セミナーの趣のひとつかと思います。
 一方,医学生・研修医セミナーの大きな目的は,一人でも多くの若い人達に放射線治療の魅力を知ってもらい,放射線腫瘍医をめざしてもらうことです。放射線治療に興味・関心を持っている,という学生は数多くいますが,なかなか現実的な進路として踏み切れないでいる人が大部分ではないでしょうか。セミナー期間中は,懇親会など世代を越えた語らいの場が用意されます。8 月の熊本にふさわしい,ホットなJASTRO魂,すなわち癌治療に対する情熱で,彼らを導いてあげることが何よりです。そして彼らが 9 月に日常に戻った時,冷静に放射線治療を進路として選択できるように,クールな情報提供,すなわち研修プロセスやQOL面などについても,優しく語っていただければと思います。
 今後,セミナー開催に向けて,多くの不手際で各方面の皆様にご迷惑をおかけすることになるかと思います。それでも,たくさんの先生方や学生の方々に,熊本の地でお目にかかれる日を何よりの楽しみとして,準備を進めていく所存ですので,何卒ご指導,ご鞭撻をよろしくお願いします。

第12回医学生・研修医のための放射線治療セミナー・第8回放射線腫瘍学夏季セミナー事務局を担当して

東京医科歯科大学医学部放射線科 吉村 亮一

 先日,他科の友人との酒の席でこのセミナーの話題がになり,「学会が中心となって,金銭的な援助もし,学生・研修医・若手医師の教育に力を注いでいることは非常にすばらしく,他科関連の学会と比べても先進的なこと」とひどく感心されました。放射線治療医の少なさが取りざたされている昨今,「医学生・研修医のための放射線治療セミナー」のみならず,「放射線腫瘍学夏季セミナー」で知識を広げる機会が毎年あるということも,医学生や研修医が放射線治療医を志すにあたって強い魅力と安心の材料になり得るかもしれません。
 「第12回医学生・研修医のための放射線治療セミナー」は41名の参加者を迎え,2006年 8 月 4 日から 6 日にかけて熱海で開催いたしました。初日は阿部光幸先生(京都大学),井上俊彦先生(大阪大学)に総論的な講演を,さらに中村聡明先生,萬 篤憲先生(東京医療センター),大屋夏生先生(熊本大学)に,大学の講義ではまず聴くことのできない放射線治療の魅力を多岐にわたって講演していただきました。2 日目は,食道癌と乳癌をテーマに,PBLと放射線治療計画とを組み合わせたグループ実習を行いました。この初めての試みには,準備から当日の司会・チューターに至るまですべての面で,セミナーOB・OGで結成されたNExTの皆様に中心となっていただきました。白熱した議論とユニークな治療計画発表は予想以上の盛り上がりでした。3 日目は村山重行先生に粒子線治療のご講演をいただいた後,西村哲夫先生のご好意により静岡がんセンターを見学させていただくことができました。学生・研修医の皆様には少しでも放射線治療を身近に感じていただけたでしょうか。
 「第 8 回放射線腫瘍学夏季セミナー」は 8 月 5 日・6 日に開催いたしました。若手のみならず中堅以上の先生や技師の方々など,理事や教育委員,講師の先生を除いても120名以上の参加があり,絶好の行楽日和だったにもかかわらず,熱海の海を横目にホテルに缶詰になっていただきました。日常診療において多く遭遇する10の疾患と,品質保証,QOL,粒子線治療,温熱療法そして放射線生物学について,主に関東甲信越で活躍されている先生方にご講演いただきました。講師の先生には,放射線科専門医 2 次試験レベルの内容を中心にとご依頼させていただきましたが,セミナーアンケートの回答には「もっと初心者向けに」や「最近のトッピクスを」「技師向けのセミナーも」などと,講義内容についてもさまざまな意見が寄せられました。このセミナーの趣旨を明らかにし,放射線生物学や物理学を含め,さらに効率よく知識を広げられる企画作りが行われれば,セミナーの価値がより上がるのでは,と考えさせられました。
 終日の実習や講義でフラフラになった後は,熱海ならではの座敷での宴会,目の前に上がる花火,温泉,そしてまた宴会。お酒や果物を差し入れて下さった先生,ありがとうございました。
 最後に,このセミナーの企画・運営にあたり,講師,チューターの先生,JASTRO理事,教育委員の先生,CMSのスタッフ,そしてJASTRO事務局の方々には多大なるご協力をいただき,大変ありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。そして,参加された皆様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。

セミナー参加者から開催者へ立場を変え:NExTのご紹介

大阪大学大学院 放射線治療学講座 中村 聡明

 Windows95が発売され,ヤフー・アマゾン・イーベイ各社が創業された,「インターネット元年」ともいうべき1995年,第 1 回「医学生のための放射線治療セミナー」(以下,セミナー)が開催されました。来るべき「IT革命」の息吹を確かに感じ,21世紀を目前に控えた新たな時代の到来を予感する年でありました(さらにいえば,1995年はレントゲン博士によるX線発見100周年でもあり放射線に携わる者にとって意味深い年でもあります)。
 このような記念すべき年に医学部 6 年生としてセミナーに参加した筆者は,錚々たる講師陣の熱気溢れる講演に刺激を受け,新しい時代にふさわしい領域として「放射線治療」に魅力を感じ,その門を叩くこととなりました。
 その後,研修制度改革により「医学生・研修医のための放射線治療セミナー」に名称が変わり,参加者の減少のため存続を危ぶまれた時期もありましたが,順調に回を重ね,セミナー出身者のJASTRO会員も40人(第 1〜8 回参加者進路追跡報告より)を超えております。この間,セミナー出身者が「セミナー追跡調査研究班」を立ち上げ,出身者間での交流も深まるようになって,セミナーを開催側の立場で支援しようという機運が盛り上がってきたのは自然な流れであったのかもしれません。
 キックオフミーティングを2006年春の日本医学放射線学会総会中に開催し,セミナー出身者としてめざすべき方向性について議論しました。みんなの思いは同じ。「放射線治療をより良くしたい」。そのために何をすべきか,何ができるか。
 浮かんできたキーワードは「教育」でした。われわれが受けてきたセミナーを時代に即した形にヴァージョンアップするとともに,その成果を各所属先に持ち帰り,普段の診療・教育に還元する,つまりセミナーを「医学生・研修医のため」だけにするのでなく「教育者のため」の実践の場にもしようというものです。
 プロジェクトの名称は「NExT=New Education x Training」としました。次世代の医学生・研修医の教育,研修をわれわれの視点で考えていきたいという思いを込めています。参加者は日本全国から集まった卒後 3〜11年目の10数名。やる気と熱意に溢れる若手揃いです。
 このような経緯で今回のセミナーより,かつての「参加者」が本格的に「開催者」の一員として支援させていただくことになりました。そして第12回目となったセミナーでの最大の試みはPBL(problem based learning:問題解決型学習)の導入でした。
 学生の積極的な学習意欲を引き出すとされるPBLですが,講師の立場からするとPBLの実践は骨の折れる作業でした。特に,学生たちに適切な方向性を与えるために介入するタイミングを加減するには,それなりの経験が必要となることを痛感しました。
 しかしながら学生・研修医たちの目の輝き方は,普段大学で接するそれとはまったく異質のすばらしいものでありました。是非,今回の経験をもとに,大学でも学生たちの目を輝かせてやろうと目論んでいます。そして今後とも,セミナー開催を通じてさまざまな試みを行っていきたいと考えています。
 折しもIT世界のキーワードは「Web2.0」,第二世代への移行期といわれています。医学生・研修医セミナーも NExT が中心となり,第二世代のセミナーを構築していきたいと思っております。今後ともJASTRO会員の皆様の変わらぬご指導・ご鞭撻を,何卒よろしくお願い申し上げます。

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